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ペリオスチンについて

 

ここに書かれていることは、ドクター牧瀬が、延べ4万人以上のアトピー性皮膚炎を診察した 結果の、最新・最高のアトピー治療法です。しかし、ご自分の症状を正確に把握せず、ここに 書かれてあるサプリメントをとったり、勝手な治療法を行い、症状が悪化してもドクター牧瀬 はいっさい責任をとれません。

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最近、このタンパク質に、患者さんからときどき質問がきますので、簡単に解説しておきます。

このタンパク質は1999年に日本人の研究者によって発見されています。その時は、アトピーに対する作用が研究されたのではなく、骨の再生に関係するタンパク質とみなされていました。 そして、ペリオスチンが心筋梗塞後の心筋修復に役立つことや、癌細胞の増殖抑制作用もあることがわかったのです。
しかし、2012年、佐賀大学のグループがペリオスチンのアトピーに対する作用を検証し、発表しました。特に慢性化する痒みのメカニズムを、ペリオスチンの作用から解き明かしたのです。 そして、ステロイドに代わる、新薬の開発をやり始めたようです。原文に興味がある人は、 http://www.jci.org/articles/view/58978 をお読みください。

下図を見てください。(佐賀大学分子医化学分野のページ:http://www.biomol.med.saga-u.ac.jp/medbiochem/AD-PN.html より引用。) まず、アレルゲンが表皮のバリアーをから浸入します。 そこで、Th2細胞が活性化され、IL-4/IL-13 というインターロイキンが産生されます。 それらのインターロイキンが真皮に存在する線維芽細胞に作用し、そこで、ペリオスチンとタンパク質が誘導されます。 それは、αVインテグリンと結びついて、TSLPなる炎症性メディエーターを産生し、それがTH2を再び活性化するという、悪循環が成立し、アレゲンの新たな侵入がなくても、 痒みがましてしまうという図式です。TSLPとはThymic Stromal Lymphopoietin(胸腺間質性リンパ球新生因子)という一種のサイトカインで、抗原提示細胞の作用によってTリンパ球を刺激します。

vicious circl

図でおわかりのように、こういう悪循環ができてしまうのがアトピーの異常な痒みのメカニズムであるというわけです。そこで、研究者たちは、 ペリオスチンの作用を阻止する抗体の作製を進めており、将来的にはそのような抗体をアトピー性皮膚炎に対する薬剤として開発する予定で、「このように、ペリオスチンに対する阻害剤を開発することができれば、アトピー性皮膚炎における画期的な薬剤となると期待されます。 」
としています。

というようなわけで、日夜インターネットでさまざま情報を探しておられる研究熱心なアトピー患者さんから、期待の質問がきます。しかし、そ の期待に水をさすようで申し訳ないのですが、そういう新薬ができたとしても、おそらくステロイド剤以上に副作用の強いものだろうということ です。
最初に述べたように、ペリオスチンはもともと、アトピーの研究から見つけ出されたものではなく、心筋の修復や癌細胞の抑制などの見地から研究されてきたものです。つまり、下手にペリオスチンの活性を阻害すると、ペリオスチンの良い役目もなくなってしまい、心・血管系などの病気が増えたりすることが懸念されます。アトピーでは死ぬことはありませんが、心臓がやられたり、癌が発生すると、死につながることがあります。仮に、販売されるようになっても、すぐには飛びつかないほうが賢明です。3年は待って様子を見るべきでしょう。
また、TSLPはMast Cellからも産出されますし、それに、この図式にはあてはまらないアトピーも2割はあります。佐賀大学の研究は、けっこう忍耐のいる研究だったに違いありませんし、アトピーとの関係を明瞭に解き明かしてことは評価されますが、これでアトピーが完治するとは期待されないほうがいいでしょう。


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