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ARC包囲陣

Part1 まずはサンフランシスコへ

 僕は熊本大学医学部に入る前、早稲田大学政治経済学部政治学科というきわめて政治的な環境に身をおいていました。おまけに当時は学生運動の盛んなときです。しかも、医学部を卒業してから留学したところが、戒厳令が敷かれたあとの共産党支配下のポーランドでした。そして、ベルリンの壁が壊れ、ソ連が崩壊する過程を、現場で見てきました。共産党一党独裁社会における人間の行動様式は、誰よりもよく知っていると言ってはばかりません。また、世界85カ国を旅し、アラブが、ユダヤが、ミャンマーが、アフリカが、インドが、どんなものであるかは、肌で感じとっています。ロンドンにも、ニューヨークにも、ロシアのサンクトペテルブルグにも住んだことがあります。本来は医者になるよりジャーナリストになったほうがよかったのかもしれません。 
 その経験から、日本は、アングロサクソン、ロシア人、漢人、という超毒物民族に包囲されていると言っているのです。これを僕は、America-Russia-China の頭文字をとって、ARC包囲陣と呼びたい。アークとは英語で円弧を意味しますから、包囲陣にはぴったりとした略語です。しかし、はたして日本の政治家でこのARC包囲陣の危険性に気づいている人はどのくらいいるでしょうか? どうやって、我が国の独立を外敵から守るか!?(--- ちょっと、右翼のお兄さんのようになってきましたが、しばらく我慢してください。僕は決して右翼でもなく左翼でもなく、税金をまともに納めている、ごく普通の大阪市民ですから)。
 このARC包囲陣から日本を守るには、きわめて巧みな外交力が必要です。ただ、アジア大陸の東の孤島にあって幸せすぎた日本人は、徹底的に外交音痴なのです。どうすれば、強い外交力を日本が持てるかなど、真剣に考えたことがないのです。まともに、国際政治の現実を見る目がないのです。 外交力を強化するにはまず、核を持った軍事力です、と言うと、きっと左翼っぽい患者さんなら、もう二度と僕のクリニックには来てくださらないかもしれませんが、それは僕だって、この考えは好きではありません。ただ、地政学的には仕方がない考えだと言っているまでです。しかし、これは今の日本にあっては非現実的です。日本国民のコンセンサスが得られませんし、また、アメリカも許さないでしょう。
 次は経済力だと言う人がいるかもしれませんが、日本のGDPはずっと世界2位でしたが、しょせんアメリカの属国で、外交力などは何もありません。アメリカの単なる番頭にしかすぎないのです。おい、番頭、金がいる、~億ドル準備しろ! へ~い、かしこまりました、すぐに用意いたしますと、日本国民の血税をアメリカに渡していたのです。それは今でも続いています。
 しかし、GDPが日本のおよそ1/2のフランスは、国際政治における重みは、日本の数倍です。フランスは核を持っています。しかし、フランスの外交力が強いのは、核を持っているというより、その「文化力」なのです。
  アメリカ人はいまだにフランス人には頭が上がりません。数十倍の軍事力をもっていても、かなわないのです。また、フランス人はアメリカ人を本当のところかなりバカにしています。アメリカ文化のデズニーランドはフランスではついに成功しませんでした。
  僕の友人でフランス人の医者がいます。彼は上海に留学し鍼灸を学びました。そして、パスツールの伝統をひくきわめてヨーロッパ的な現代医学と、かつフランスのハーブと、東洋の鍼灸を結びつけた、彼自身の独特な医療方法を開発しました。それを広めようと、ロスアンゼルスに行ったところ、現代医学一本やりのアメリカの医者たちは、彼の医療を受け付けなかったのです。


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