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甲状腺の問題(2)

Part1 まずはサンフランシスコへ

 日本では、うつ病、あるいは更年期障害、あるいは慢性疲労症候群と診断されている人たち中には、単に甲状腺機能が低下しているだけの人が、けっこういるのではないかと推測されます。
一つの理由は、最近の若い人たちはあまり海産物を食べなくなったということと、日本の精製塩にはヨードが添加されておらず、ヨード不足がおこっているのです。
おまけに、大豆が健康にいいということで、豆乳などをもっぱら飲んでいる人が多く、また大豆プロテインなどでタンパク質を補うことがはやっているからです。これは、大変に危ないことで、大豆の過剰摂取は甲状腺に悪影響を及ぼします。牛乳がアレルギーをひきおこしやすいというので、豆乳を子供に飲ます母親がいます。Googleで「大豆 甲状腺」を検索してください。どれだけ間違ったことをやっているかお分かりになると思います。

 また、最近、SOYJOY なるスナックが売られています。SOYとは大豆のことです。大豆は健康にいいと錯覚して、ダイエットも兼ねてこれを食べている人もいます。
非常に危険です。大塚製薬が販売元ですが、大豆のとりすぎは甲状腺に悪影響を与えることくらい知っているはずなのに、製品にはその注意を怠っています(ひょっとしたら、その危険性については知らないのかもしれませんね。知っていて表示しないとなると、これは会社のモラルが疑われます)。やせると思って、食べていて、甲状腺機能低下を起こせば、かえってずんぐりと太ってきます。
読者の中でも思い当たる人がいるのではないでしょうかか? 大豆でダイエットしているのに、最近、何だか太ってきたみたいだわと感じられる人は、まさに要注意です。それと、カリフラワー、ブロコッリー、キャベツなどアブラナ科の野菜を多く食べる人は注意してください。それらには甲状腺腫をおこす物質(ゴイトロゲン)が含まれていますから、甲状腺機能低下をおこすことがあります。

 煮豆や湯豆腐には昆布が入っていることが多いものです。伝統とは、実に知恵のあるもので、大豆はヨードの吸収を阻害することを、昔の人は経験的に知っていたのです。その分を計算して、ヨードを多く含む昆布を入れていたのです。こういう奥深い料理法を無視してカロリーばかり計算するアメリカ流の栄養学は、実に愚かなものなのです。
どれほど愚かな栄養学であるかは、彼らの肥満体を見れば、一目瞭然です。〇〇大学栄養学科の先生方、アメリカ人の30%強は肥満であり、日本人の場合、肥満はたかだか3%にすぎないという明々白々な現実を無視して、それでもアメリカの栄養学を手本とされるのでしょうか?

この無思慮な大豆摂取に加え、ビタミンCの錠剤を、まるでクッキーを食べるように、ぽりぽりとかじっている若い女の子を見かけます。
これは、非常に危険です。最近、「ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く」(講談社+α新書)という本が出ています。この本の著者は医師ではありませんので、実際に患者さんにビタミンCを処方した経験がないはずです。
僕は15年以上、実際にビタミンCを初め、あらゆるビタミン剤を処方した経験上、確かにビタミンCは非常に有効なビタミンですが、それがゆえに、コンビニ感覚で無思慮に摂ると、 かなり危ないビタミンであることが最近になってわかってきました。 手放しで、大量摂取がすすめられるビタミンではないのです。食物から摂るのはいいでしょう。 しかし、サプリメントとしてむやみに摂っては危ないのです。 この、ビタミンCと大豆製品。二つとも、一見すると健康にいいように見える組み合わせは、おそらく甲状腺に悪影響を与え、女性の体温を下げているようです。

アメリカの塩にはヨードが添加されています。
しかし、食塩の取りすぎは高血圧をきたすということで、特に健康に注意を払う健康オタクが食塩を制限し、その結果、ヨード不足をきたし、かえって健康を害するという皮肉なことがおこっているのです。
さらに水道水に消毒のためフッ素が添加されていますから、同じハロゲン族に属するヨードの吸収をフッ素が邪魔するのです(日本の水道水にはフッ素は添加されていません。このへんは厚生労働省の判断は正しかった)。もともと、海産物をあまり食べない国柄ですから、事態はけっこう深刻です。
そして、先進国では甲状腺に関する検査が行われるのですが、それが中途半端な検査であるがゆえに、特に甲状腺機能の低下を見つけることができないでいるのです。 詳しくは、僕の www.drmakise.com の「症状別治療講座」の「甲状腺の病気」 をお読みくださればいいのですが、簡単に書くと、甲状腺ホルモンのうちで活性の強いT3(トリヨードサイロニン)の検査に問題があるということです。 そして、見かけ上、異常なしとされ、うつ病とか、更年期障害とか、慢性疲労症候群とされてしまうのです。
  特に、うつ病と誤診された場合は悲惨です。日本の医者も、アメリカの医者も、抗うつ剤は大好きですから(要するに、収入アップになるのです)、 どんどん処方される危険性があります。
僕は甲状腺専門医ではないので詳しくはわからないのですが、なぜ甲状腺機能検査にリバースT3(rT3)の項目がないのか、不可解なのです。
これを測定することによって、もっと正確に甲状腺機能を測定することができ、うつ病や更年期障害との鑑別に役立つはずなのですが。


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