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脳卒中(のうそっちゅう)

 

ここに述べることは、あくまで一般的な参考としての情報であり、読者が医学知識を増やすための自習の助けになるものであり、それを越えるものではありません。
また、ご自分の症状を正確に把握せず、ここに書かれてあるサプリメントを摂ったり、治療法を行い、症状が悪化しても、いっさい責任はとれません。 インターネットにより、Dr.牧瀬のアドバイスを受けられたい方は、こちら


ここで脳卒中という言葉をきっちりと定義しておきましょう。
この言葉は正確にいうと病名ではなく、脳の循環障害によって、精神・神経症状が急速に出現した状態で、特に運動障害と意識障害を伴うような重症例をさす症状名です。したがって、この脳卒中という状態を引き起こす原因となる疾患があるわけで、その代表的なものとして、脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血などがあげられます。よく、「おじいちゃんは脳卒中で倒れ、あと中風になってしまった」という言い方がありますが、もう少し、医学的に表現すると「おじいちゃんは、脳出血か、脳梗塞か、あるいはクモ膜下出血あたりで運動障害か意識障害を起こして、倒れてしまい、その後、主に運動麻痺が残ってしまった」となるわけです。

したがって、脳卒中という症状を起こすものには、脳梗塞以外に、脳出血とクモ膜下出血があるわけです。日本の場合、狭心症や心筋梗塞とともに、いわゆるこの脳卒中も多いので、それについて、もう少し詳しく述べておかねばなりません。

①脳出血
 ほとんどは高血圧性の小動脈病変によるもので、好発部位は外側線条体動脈で、大脳基底核という、脳のど真ん中にある部分です。この辺に出血が起こると、随意運動神経がおかされ、いわゆる中風という麻痺がおこるわけです。その他、数多くの小動脈が脳の中を貫き、走り回っているわけですから、出血の部位により、実に多彩な運動障害、意識障害を惹起してきます。
 脳内の細い動脈に長期間高血圧が作用すると、血管の壁を構成している主に中膜が障害され、動脈の壊死を起こすといわれています。その他、動静脈の奇形、動脈硬化も原因となります。

②クモ膜下出血
 脳の表面を薄い膜(クモ膜)がおおい、脳を保護していますが、その膜と脳実質の間隙に出血が起こることがあります。多くは脳の底を走っている太い血管が分岐する部分に、動脈瘤ができ、それが破裂するためにおこります。激烈な頭痛で発症します。高血圧はリスクファクターになりえますが、必ずしも血圧の高い人におこるとは限りません。比較的若い人にもけっこうあります。

③脳梗塞(脳軟化症と呼ばれたこともあります)
 脳の動脈に狭窄、閉塞が起こり、十分に酸素や栄養が運ばれず、その動脈が支配する部分が壊死をおこした状態です。成因により二つに分類できます。
 脳血栓症…ほとんどが動脈硬化で血管の内腔が狭まり、そこに血栓ができて生じます。したがって症状はゆっくりと段階を追って進行します。  脳塞栓症…心疾患のために心臓にできた血腫、あるいは血栓、または大きな動脈にできて血栓が剥がれ、脳にまで運ばれ、脳動脈を詰まらせることによっておこります。前駆症状はあまりなく、突発的です。

*ラクナ脳梗塞
あえてここに別の項目をつくり、解説するのは、降圧剤のめちゃくちゃな使用により、隠れ脳梗塞が急増している懸念があるからです。日本人の平均寿命は世界一長い。しかし、寝たきり老人も非常に多いのです。それは、多くの老人が脳梗塞を患うようになったからです。
1950年代には脳出血(脳の血管が破れる)が9割以上を占め、脳梗塞(脳の血管が詰まる)が1割を切っていました。ところが、栄養状態が改善され、血管が丈夫になり、しかも、降圧剤をどんどん服用するにつれて、2005年には脳出血が18%、脳梗塞が75%と比率が逆転してしまったのです。
50年という時間は、私たちのDNAを変えるにはあまりにも短い時間です。しかし、瞬きにすぎない50年の間に、このような病態の激変があったということは、食生活や薬品がいかに人体に影響するかという証拠です。
 もし、血圧を不用意に下げてしまうと、心臓より上にある脳は特にダメージを受けやすくなります。非常にほそい血管などつまりがちになってしまいます。つまり、ここでも毛細血管を無視した治療が行われるのです。すると、そこから先に十分な血液が運ばれないために、小さな梗塞がおこります。
しかし、長期にわたり高血圧が続くと、脳の深部の極めてほそい穿通枝動脈が変性し、直径15ミリ以下の小さな梗塞がおこることがあります(これをラクナ梗塞と呼びます)。したがって、血圧を適度に調節することが非常に重要な課題となります。いずれにせよ、範囲の狭い脳細胞の壊死のため、意識障害とか、麻痺といった大きな症状はでません。ただ、ふと、人の名前がでてこなかったか、でてこないようになったとか、「あれ」、「それ」といった代名詞ばかりの話になるとか、わずかな耳鳴りがしたという程度で終わってしまいます。だれしも、経験することです。それは脳の各所にひそやかな虚血性の壊死(隠れ梗塞)がおこっているからです。
精査すると30代から小さな梗塞はみつかります。こういった現象はあるていど不可避的で、現代医学で完全に阻止することはできません。しかし、適切なサプリメントで、それを可能なかぎり、遅らせるよう努力できるのです。
 特に次に述べるような症状が出れば、要注意です。

  • 人の名前がでてこない。
  • 会話に、「あれ」、「それ」、「あの人」、「その人」、「あそこ」といった代名詞が多くなってきた。
  • 字が下手になってきた。あるいは、文章を書いていて、突然、一文字を飛ばして書いてしまう。
  • 簡単な暗算ができなくなってきた。
  • 数秒前に何かの目的で行動を起こしたのだが、何のためにその行動を起こしたか、忘れて戸惑うことが、しばしばある(例えば冷蔵庫を開けたのだが、何のために開けたか忘れ、閉めたとたんに、ヨーグルトを取り出すために開けたことを思い出すとか)。
  • 食事中、ときどき、うまく噛めず、すでに口に含んでいた食べ物をこぼすことがある。あるいは、箸をおとすことがある。
  • いつも、めまいや耳鳴りがある。
  • 手足の振るえや痺れがでてきた。
  • 階段の昇降は敷居をまたぐとき、片方の足をよくひっかけることがある。
  • 歩行中、ふらっと、一瞬、よろけそうになったことがある。
  • 物が二重に見えたり、視野が狭くなってきたように感じることがある。
  • 突然、うつっぽくなったり、気分が滅入ることがある。
  • 些細なことで急に涙がでたり、逆に大声で笑ったりすることがある。
  • 早口の人の話が、わかりにくくなってきた。

以上、特に40歳を過ぎ、降圧剤を服用し始めると、このような症状がでてくることが多いのです。しかし、こういった症状に対する優れたサプリメントはいろいろとあるから心配はいりません。


自宅で簡単にできる診察

ご自分の舌の裏を走る舌深静脈を、鏡の前で観察してください。
前ページの「動脈硬化・狭心症・心筋梗塞」に書きましたように、脳卒中をおこす人にも、舌深静脈の下部にしばしば静脈瘤が見られます。写真で、下の方は数個の瘤のように膨らんでいます。たいへんにひどい「お血」の状態なのです。特に心臓から頭といった部分の血液の循環が悪くなるとこのような状態になります。
これは古代朝鮮半島で行われた診断方法で、現代にも通用します。これが観察されたら、至急、精密検査を受けてください。事態は深刻です。急を要します。
古代朝鮮半島では、この静脈瘤から瀉血をして、未然に病を防いだと言われます。二本の舌深静脈に軽くメスをいれ、そこからコップ2~3杯の血を抜くのです。しかし、絶対にひとりで行ってはいけません。また、残念ながらそういう瀉血ができる日本人のドクターもいません。不器用な私もできません。そこで、韓国にある韓方医学専門病院に患者さんをお連れして、そこの先生に、行ってもらうようにしています。極めて効果があります。
 こういう実に簡単な診察をなぜ、現代医学の医者たちが行わないのか不思議でなりません。MRIやCTを使った高額な費用がかかる「脳ドック」より、よほど確かな診断ができます。普通の内科に行かれて、舌の裏を見せてくださいといわれた人は、まずおられないでしょう。
私のクリニックでは、3カ月に一度ほど、韓国のプサンにある韓方伝統医学専門病院に日本の患者さんをお連れして、瀉血を受けてもらっています。
 次回の「瀉血ツアー」は、日程が決まり次第、トップページの「お知らせ」に告知させていただきます。参加ご希望の方は、お電話(06-6222-7661)にて問い合わせてください。

テトラサイクリン:最近、テトラサイクリン系の抗生物質であるミノサイクリンが脳卒中に有効であることがわかってきました。Neurology(2007;69:1404-1410)。発作後、6時間~24時間以内にミノサイクリンを投与すると、有意義に障害が軽減するのです。したがって、常備薬としてミノマイシン(ミノサイクリンの商品名)を家庭においておくのは理にかなっているでしょう。もっとも、脳卒中の予防のために毎日服用するのではありません。おこったときに、後遺症を少なくするために、すぐに服用するのです。


脳卒中に対するサプリメント

この処方を希望される人は、私の診察を受けてください。時間的か距離的にそれが無理な人は、メイルで問い合わせてください。

牧瀬クリニックでは、掲載の症状に対するインターネット診療及びサプリメント処方を有料で実施しております。詳しくは、こちらをご覧ください。


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