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高血圧(こうけつあつ) その1

 

ここに述べることは、あくまで一般的な参考としての情報であり、読者が医学知識を増やすための自習の助けになるものであり、それを越えるものではありません。
また、ご自分の症状を正確に把握せず、ここに書かれてあるサプリメントを摂ったり、治療法を行い、症状が悪化しても、いっさい責任はとれません。 インターネットにより、Dr.牧瀬のアドバイスを受けられたい方は、こちら


 高血圧は動脈硬化の一つの促進因子であると同時に、動脈硬化が進行してくると血圧が上がるという悪循環をきたします。また、脳出血、くも膜下出血、ラクナ梗塞などのリスクファクターでもあります。できることなら正常範囲の数値でありたいものですが、この正常というのがくせものです。
 2014年に改訂された、日本高血圧学会によるガイドラインによると、降圧目標(診察室血圧)は、若年者・中年者で、140/90 mmHg未満。ただし、心血管病のリスクが高い糖尿病、蛋白尿陽 性の CKDでは 130/80 mmHg 未満を降圧目標とする、などとなっています。そして、ほとんどの医者はこのガイドラインに沿って降圧剤を処方しながら、「減塩」が大切ですよと説教するのです。 ここでも、
「バーカこくでね~ど、先生、塩っけのないものなんか、食えね~よ!」
と、いう声がきこえそうです。しかし、たいていの患者さんは礼儀正しく、反抗の言葉は発しません。そこで、また医者は、
「塩分摂取は一日6グラム以下です。ナトリウムとしては3グラム以下です」
と続け、最後に、
「タバコを止め、お酒もほどほどにし、適度な運動をし、毎日新鮮な野菜や果物をとりなさい」
 と、バカの壁の向こう行くような指導を行うのです。
 みなさん、もし、こういう医者にかかれば、詐欺にかかったと思い診察料を払ってはいけません。このような指導をきくために金と時間を費やしたわけではないのです。むしろ、診察料を払うどころか、逆に交通費まで請求してもいいくらいです。

まず、具体的に、「塩分摂取制限、日に6グラム以下」をどのようにして実現するのか。実生活では守れるわけがありません。実行することができないことを承知の上に、そういう指導をして、診察料をとるのは詐欺です。
 特につきあいで外食の多いサラリーマンなど、絶対といっていいほど実行できません。唯一可能な減塩策は、麺類の汁を半分残すか、せいぜい自宅の食卓にある醤油をキッコーマンの減塩醤油に変え、味つけはおくさんに頼んで、その減塩醤油でやってもらうくらいです。それにもかかわらず、食塩制限は厳しく、6グラム以下にしなさいとしゃーしゃーとのたまう大学教授などは、私はしんそこバカだなあーと思います。
 いったい現実にどうやって、毎日の食事に含まれている食塩を測定するのでしょうか。
たしかに、レストランで出されるビフテキ一枚には何ミリグラムの食塩、餃子一人前には何ミリグラムの食塩、味噌汁一杯には何ミリグラムの食塩……、といった表があることはありますが、(しかしチーズひとかけらにせよ、薫製のソーセージ一本にしろ、製品によって千差万別です。餃子はサイズからして、店によって違います)、こんなこと毎日、毎日、やってられますか???

生きるか死ぬかの病気であれば患者さんは必死になってやるでしょう。
しかし何ら自覚症状がないのに、しかも、同僚か、お客さんのいる前で、こんな計算をする人間がどこにいるでしょうか。

もっとひどいのは、ナトリウムとしては3グラム以内にするべきであるという指導です。愚の骨頂とはこのことでしょう。日常生活で、食塩の摂取量でさえはかることが困難なのに、ましてやナトリウムの摂取量を具体的にどのようにして、はかるというのでしょうか。こういう指導をする医者が現実にいること自体とてつもなく非現実的な漫画です。シュールレアリスティックです。サルバドール・ダリの絵みたいです。日本の健康オタク族はあまりにも暇なのでしょうか? あるいは健康ジャンキーはそこまで重症化してしまったのでしょうか?
 それにあと5年もすれば、本態性高血圧対策としての減塩食そのものが、さほど意味なしということで忘れ去られるかもしれません。昔ソ連が存在していたときの面白い小咄があります。マルクス経済を学んでいた学生が経済学の教授に質問しました。「先生、この共産主義経済はどこで適用可能なのでしょうか?」
 教授は、ちょっと考えて、「月じゃ。月でのみ可能じゃ」と答えたそうです。
それと同じように高血圧用の食事メニューには実生活で不可能なのが多すぎます。入院中かせいぜいスペースシャトルの中でしか可能でないでしょう。

最近の研究によると、どうやら減塩で血圧が下がるタイプの人と、変化しない人、それにむしろ上がるタイプの人がいるようです。アンギオテンシノーゲン遺伝子という、血圧に関係する遺伝子があります。
 TT型、TM型、MM型と三つあり、そのうちTT型の遺伝子をもつ人が、食塩をとると血圧があがるのです。ネグロイド(黒人)にTT型をもつ人が最も多く、また、アメリカ人の中でもアフリカ系アメリカ人に高血圧の人が多いのも事実です。TT型の遺伝子をもっていると、水と塩分を体にため込みやすいのです。
 それは、高温で乾燥しているサバンナでは適していたのです。つまり、食塩に対する感受性が人によってちがうというわけです。したがって無理な減塩は無駄になる人がいるわけです。日本人の本態性高血圧の場合、その40%に食塩感受性があるといわれています。
つまり、他の6割りの人は、食塩を制限しても意味がないということです。
 そして、禁煙、アルコールは適度、運動、新鮮な野菜。こんなことは指導される前からすべての患者さんはご存知です。患者さんをバカにするのもいい加減にしたほうがいでしょう。 指導としての何の価値もありません。そして、最後は、紋切り型に、140/90 mmHg以上には降圧剤ということになるのです。

しかし、多数の人間の平均的数値から導きだされた数値をもって、個々の人間に向かうという姿勢には、かなり問題があるのではないでしょうか。
大勢の人間の平均的数値は、いわば顔のない非現実的抽象的な架空の人体像であり、具体的な個人Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの像とは、ずいぶんかけ離れた存在であるはずです。それを十把一からげに、一つの治療方針の枠の中で処理しようというのは、極端にいえばファシズムに限りなく近い発想で、必ず無理があり、実際の治療にはほとんど無効です。無効であるくらいならましですが、かえって悪化させることすら、往々にしてありえます。しかし、あえてか、あるいは無知のためか怠惰のためか、あるいは保険の点数のためか、ステレオタイプ的に治療を行なう場合、そのドクターは「やぶ医者」という烙印をおされるわけです。
 私はそう呼ばれたくないので数値を先に見るのではなく、Aという患者さん、Bという患者さん、Cという患者さん、Dという患者さんの肉体をまず先に診て、対話を行いながら精神を診て、その後で患者にまつわるあらゆる数値を吟味するよう心がけています。
 そうでなければ、医師の仕事はすぐにコンピューターにとって代わられてしまいます。数値を操るのはコンピューターのほうがずっと上手です。  普通、年齢とともに血圧が上昇してくるのは当たり前で、つまり、生理的に体がそう必要としているわけで、それを医薬品で無理に下げることは体に非常に悪影響を与えます。そんなことは、中学生でもわかりそうなものですが、経営不振の医者は、薬品の売り上げに血眼になっているせいか、その基本をまったく理解しようとしないのです。
 そして、ついに流行の「メタボリックシンドローム」の診断基準にも、収縮期血圧が130mmHg以上、または拡張期血圧が85mmHg以上が異常だとされてしまったのです。

 こういう基準をつくってしまうと、50歳をすぎた人たちの8割が高血圧だとされてしまいます。むしろ、年齢が上昇するにつれて、無理な降圧は、脳梗塞の発症頻度を大きくするのではないでしょうか。
 日本に寝たきり老人が多いのは、おそらく、降圧剤の過剰投与によって、無理に血圧を下げられ、それで起きられない人が多いと推測されます。

 喫煙の習慣や、糖尿病、脳出血、心筋梗塞などの既往がなければ、150/100mmHgまでは、50歳以上であれば、ほとんどの例で、降圧剤は不必要でしょう。また、140~150/90~100mmHgの人の数は非常に多いのですが、そういう人で、不安を感じられる人は、降圧剤の代わりに、ハーブ、ビタミン、ミネラルで対処することも考えてください。

 まず、降圧剤を服用すると、精力が目立って弱くなります。また、頭の回転も鈍くなります。味覚障害もよくおこります。しかし、こんなことを普通、医者はいいません。副作用のないハーブ、ビタミン、ミネラルで十分に対応できるのです。

よくあるケースですが、会社の健康診断で高血圧を指摘された40代のサラリーマン。家のローン返済もまだまだ残り、子供たちの教育費もさらに増え、ここでくたばってしまえば大変ということで、さっそく降圧剤を服用し始めます。
 すると、とたんにセックスが弱くなります。しかし、本人はそれが降圧剤のせいとは気づけなく、年のせいだと勝手に解釈するのです。そうではないのですぞ、お父さん! 40代でもう夜はご勘弁とは、早すぎます。それは、年のせいではなく、医薬品のせいなのです。おまけに脂質異常症のところで述べたスタチン系薬剤まで一緒にのむと、さらに事態は悪化します。
 また、血圧が高くても血管が破れなければ、いいわけで、逆にいえば、血圧が正常でも、血管がもろければ危ないのです。 そこで、血管を丈夫にするサプリメントが必要となってきます。特に脳出血や狭心症、心筋梗塞などが家系的にある人、また糖尿病家系の人、動脈瘤を持っている人も用心が大切です。

しかし、降圧剤をのまなければ収縮期血圧(上の血圧)が常に160mmHg以上ある人や、下が100mmHg以上ある人、あるいは糖尿病の合併があるとき、脳に動脈瘤があるとき、また心筋梗塞や脳出血の既往歴をもっていたり、家系的にそういう患者さんがいる場合、それとタンパク尿が出る場合、眼底検査で異常が見つけられた場合、医者が処方する降圧剤も服用してください。そうでないと危ないのです。常識を働かせてください。そして、そういう降圧剤を服用して精力が弱くなり、夜の生活がうとましくなってきた場合、このサイトにある、ED(勃起障害)のサプリメントも補ってください。また、頭の回転が鈍くなり、物忘れがひどくなったりしたときは、頭をシャープにするサプリメントも補ってください。


減塩について

人類の長い歴史の中で‘塩’がふんだんに得られるようになったのはつい最近のことで、昔は非常に貴重なもので、給料として塩が支給されていたこともあったくらいです。英語のsalary(給料)は、salt(塩)を語源としています。したがって人体はもともと塩が少ない状態で生きていけるようにできていたわけで、テクノロジーと長距離輸送の発達により、あまりにも急激に塩が安く手に入るようになってしまい、まだ人体はその変化についていけないところがあるようなのです。現代の食事では古代の食事と比べて、ナトリウムとカリウムの比率が大幅に変わっており、昔と比べて現代人はあまりにもカリウム不足だといわれています。それががんの大きな原因の一つだと主張する医師もいるくらいです。しかし、だからといって、ナトリウムそのものが高血圧に直結するという考えは稚拙すぎで、最も大切なのは、カリウムとの適切なバランスなのです。

もっとも、過剰の食塩摂取は尿からのカルシウム排泄を増しますので、ことさら塩分をとるということはひかえて下さい。
そして、カルシウム不足は高血圧をもたらします。塩分の取り過ぎが高血圧を招くとすれば、おそらく、ナトリウムそのものの昇圧作用ではなく、〈塩分の取り過ぎ→カルシウム不足〉というメカニズムで血圧があがるものと推測されます。
 つまり非常識にやたらと辛いものをとらなければ、1日何グラムまでの食塩の摂取にしなければいけないと、実行不可能な減塩食メニューに惑わされる必要はないということです。
また、現代は副腎機能が非常に弱っている人が増えてきています。これといった明確な原因がわからないままに、非常に疲れるのです。こういう場合、食塩を補給すると、楽になることがあります。また、食塩を補給することによって、赤血球の癒着状態が改善され、いわゆる血液ドロドロ状態が解消されます。つまり、食塩を目の敵にするのは間違いなのです。

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