新型コロナウイルス対策にアルコール(エタノール)による消毒がすすめられる昨今です。
しかし、皮膚の弱い人には、何かとトラブルが起こりがちです。
どのように対処すべきか、簡単に説明します。

アルコールを使用して、腫脹、発赤、痒みが生じるのは、「アルコールアレルギー」の人か、「アルコール不耐症」かのいずれかです。
アルコールアレルギーの場合、塗った量に関係なく、発赤、腫脹、痒みが現れます。ひどい場合は、じんましんが全身に広がることもあります。さらにひどいケースでは、アナフィラキシーショックさえおこすこともあります。ですから、塗った瞬間に、少しでも違和感をおぼえたときは、すぐに水で洗い流してください。

アルコール不耐症の場合、アルコールは肝臓でアルデヒドという物質に変化します。そして、アルデヒドは、アルデヒド脱水素酵素により無害な酢酸となり、最後に水と二酸化炭素に分解されます。この代謝過程がスムーズに行かないで、アルデヒドが残ると、好ましくないさまざまな症状がおこります。遺伝的にアルデヒド脱水素酵素の活性が弱い人は、いわゆる「下戸」、酒にすぐに酔ってしまい、飲酒をすると不快な症状に悩まされる人です。
そのアルデヒド脱水素酵素は皮膚にも存在しており、アルコールで消毒された指先で、アルコールを分解します。その活性が弱ければ、アルデヒドがうまく分解されず、皮膚に残ってしまい、そこで腫脹、発赤、痒みを生じます。しかし、アルコールアレルギーと違って、アルコール配合の消毒液の使用量によります。指先をアルコール消毒したくらいでは、まったく症状のでない人もいます。

以上の二つ以外に、いわゆる接触性皮膚炎、つまりアルコールの物理的な刺激で皮膚が炎症をおこす場合も、よくあります。これはアルコールに対するアレルギーや、アルコール不耐症とは関係なくおこります。

アルコールアレルギー、アルコール不耐症、接触性皮膚炎、これら三つのどれかによっておこった痒み、発赤、腫れは、アルコール配合の消毒液を水でよく洗い流した後、保湿クリームを塗ってください。ひどい場合は、ステロイド軟膏をためらわずに使ってください。指、あるいは手のひらに、一時的に塗るステロイドでは、副作用など気にしなくてけっこうです。
ステロイド使用中はアルコール配合の消毒剤を使用されず、消毒剤や抗ウイルス、抗菌性の高いスプレーなどを綿の薄い手袋につけるようにされ、直接、手指への消毒剤は控えてください。ゴムやビニールの手袋を使用される場合は、綿の手袋をされた上から装着してください。

アルコール配合の消毒剤を使用されても問題がない、しかし肌が弱いという方は、消毒液をつけて5分後ぐらいに保湿クリームなど小まめに使用してください。消毒剤をつけてすぐに保湿クリームを使用されると抗ウイルス効果が弱くなってしまいます。
そして、事務所やご自宅に戻られたら、すぐに、石けんを使って、水道水で手洗いをしてください。石鹸での手洗いが多くなると本来の皮脂も取ることになりますので、手洗い後は、面倒でもお手持ちの保湿ローションやクリームなどで手指のケアをしてください。

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