これは、意外と見落とされています。皮膚科外来に来る湿疹の2割~3割が脂漏性皮膚炎だとみなしてもよいほど、けっこう多い皮膚炎です。
乳幼児の頭部にひどくでている場合は、わりと簡単に診断がつきますが、成人のアトピーで顔の赤みや痒みを訴える場合、一見しただけでは鑑別が困難で、本当は脂漏性皮膚炎だったのにアトピーと間違われて治療されているケースもあります。特に頭部や顔(小鼻の近辺、口の周囲)に生じやすく、皮膚科からステロイド軟膏を漫然と処方されるものの、いっこうに良くならない場合は脂漏性皮膚炎も疑うべきです。頭皮の異常なフケの多さも、脂漏性皮膚炎によることがあります。
皮脂に含まれる中性脂肪が真菌により分解されてできる遊離脂肪酸が、皮膚を刺激して、一種の接触性皮膚炎をおこすのが原因とされています。マラセチアが原因となる菌と言われていますが、実際のところ、マラセチアが見いだされないこともよくあります。
ホルモン・バランスの乱れや、精神的ストレスなども、影響しているものと察せられますが、本当のところよくわかっていないのが現状です。
脂漏性皮膚炎も、おそらく4種類ほどに分類できるのではないかと思いますが、まだ、皮膚科学はそこまで発達していないのです。
しかし、脂漏性皮膚炎の少なくとも20%~30%にはマラセチアが、KOH検査で見つけられますから、念のために皮膚科で検査されることは大いに勧められます。
マラセチアなどの真菌が発見された場合、抗真菌剤入りのクリームを塗ると改善します。痒みや炎症が強い時はステロイド軟膏も併用します。
サプリメントはアトピーの場合とは少し違ってきます。 月桃、ビオチン、セレン、グルタチオン、ビオスリー、それと銅などのサプリメントが必要です。銅には抗菌作用があるからです。 しかし、摂りすぎてはいけません。せいぜい2mg~3mg/日を半年ほど。また、月桃は最初から摂り始めると、痒みがますことがありますので、人によってはある程度改善してから摂ったほうがよい場合があります。これらのサプリメントセットもご希望でしたら当方で処方しています。 また、ビオ・オーガニック・ウォーターも効果があります。非常に痒い場合は、KO(2)という軟膏を使います。
ここに書かれていることは、ドクター牧瀬が、延べ5万人以上の皮膚科領域の患者さんを、内科医の立場から診察した、つまり、多くの皮膚病は体の内部の問題が皮膚に現れたとみなして治療する根治方法です。
しかし、ご自分の症状を正確に把握せず、ここに 書かれてあるサプリメントをとったり、勝手な治療法を行い、症状が悪化してもドクター牧瀬 はいっさい責任をとれません。
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