アトピーに併発したニキビは、治療にはけっこう工夫が必要です。なぜなら、アトピーを治そうとして軟膏を塗ると、その軟膏で毛穴がつまり、今度はニキビが悪化するからです。
こういう場合、顔だからといって、弱めのステロイドを使うのではなく、逆に強めの軟膏を薄くぬり、アトピーによる皮膚の痒み・炎症を短期間で抑え、あとはできるだけ何も塗らないで、ビオ・オーガニック・ウォーターなどを塗るだけにしておいた方が良いのです。

症状が悪化し、細菌による炎症まででてきたケース(いわゆる‘赤ニキビ’)では、抗生物質がはいったアクアチム・クリームやゲンタシン軟膏が処方されることがありますが、それで治らないケースが多々あり、さらに、ミノマイシン(テトロサイクリン系)などの抗生物質が飲み薬として使われることもあります。
しかし、その薬を服用している間はなんとか調子がいいのですが、やめるとまたひどくなることが多いものです。 しかし、抗生物質をえんえんとのみ続けることはよくありません。そこで、次のサプリメントを試してください。

月桃加工食品 2~4カプセル/日

月桃の一つの作用として抗菌作用があります。沖縄では昔から、ムーチという一種のお餅を包むのに月桃の葉を使ってきました。 独特の芳香があり、強い殺菌作用があるため、お餅がおいしく長持ちするためです。その殺菌作用を利用するのです。
また、月桃は便通を改善してくれます。ニキビに便秘は大敵であることは常識です。症状に合わせて、2~4カプセルほど摂ってください。

*2021年2月からのバージョンアップされた月桃にはビタミンD3とビタミンAが配合されていますので、それらのビタミンだけでも抗ニキビ作用があります。(妊娠を希望する場合、ならびに妊娠中、授乳中はこのサプリメントはお摂りにならないでください)。

プロバイオティクス(ビオスリーなど)

先にも書きましたように、便秘はニキビを悪化させます。腸の働きを整えることは、ニキビ対策にはことの他大切です。ただ、 人によっては、大腸の働きがよくなりすぎて、便の水分が吸収されすぎて、便が固くなり、かえって便秘がひどくなることが、たまに あります。そのときは、当然、止めてください。 (重要なサプリメント 5~6:善玉腸内細菌)

腸溶性ラクトフェリン 800~1200mg/日

ラクトフェリンは経口的に摂取されてだけでも、弱毒病原体の増殖・炎症を抑え込むことができます。ニキビの原因となるアクネ菌に対しても優れた抗菌作用があります。 ひどいニキビに はテトラサイクリン系のミノマイシンなどが処方されますが、効果は一時的なことが多いのです。そういう場合、ラクトフ ェリンといっしょに服用すると、相乗効果あります。 まず、腸溶性ラクトフェリンだけで3ヵ月試してみて、それで効果がなければ、ミ ノマイシンも足されたらいいでしょう。
腸溶性ラクトフェリンについての詳しい説明は、「重要なサプリメント(6/26)」に書かれています。 注意してほしいのは、ラクトフェリンは必ず腸溶性でなくてはいけないということです。 ラクトフェリン入りのヨーグルトなどほとんど役にたちません。また、メタボリックシンドローム用に、ヒハツという一種の香辛料を入れたラクトフェリンが販売されていますが、長期にわたってとった場合、 ヒハツがニキビにどのような影響を与えるか検証されていません。ですから、単純に腸溶性ラクトフェリンだけがいいのです。

クロム 50~200μg/日

皮膚の炎症を防いでくれます。いろんな形のクロムが販売されていますが、ピコリン酸クロミウムがすすめられます。普通、ミネラルは電荷してイオンの形で人体内に存在します。特にクロムはひどくプラスに電荷されていて、生きた細胞膜を通過して細胞内に入ることができません。電気的に中性にしてやる必要があるのです。そこでいろいろ研究がなされ、ピコリン酸クロミウムが細胞膜をうまく通過することがわかったのです。

ビタミンC 2~5g

これも抗炎症作用があり、また、便秘を解消してくれますので、こういった面からもニキビに効果があります。 ひどいときは5グラム/日、治まってくればニキビ体質の人は予防のために2グラム/日ほど。しかし、最終的には、ビタミンCをサプリメントから摂ることは止めてください。 ビタミンCのサプリメントからの摂りすぎは禁物です。

ビタミンB5 

以上の他、ビタミンB5も役立つことがありますので、ビタミンB群も同時にとられたらいいでしょう。ニキビの原因の一つは、脂腺からの過剰な皮腺(脂肪酸)の分泌です。 この脂肪酸代謝に最も重要なのが、補酵素A(CoA)です。 この補酵素が不足すると脂肪酸を分解できず、これが脂腺から皮膚の表面に出ていき、結果的に毛穴を防いでニキビをつくっていくのです。 この補酵素の重要な構成物質がパントテン酸、つまりB5なのです。

睡眠

睡眠不足で緊張状態が続くと、皮脂腺からの皮脂量が増え、アクネ菌も増えてしまう からです。
それと、夜はどんなに遅くとも、午後11時までには床に就いください。理想は午後10時までですが。その分、朝は早くおきてけっこうです。入眠できなくてもかまいません。体を横たえることにも意味があるのです。休日などで、朝に十分寝ることが可能な場合は、とりたてて早起きする必要はありません。寝ていたいだけ寝ておられてけっこうです。つまり、夜更かしが、良くないということです。どんな病気も夜更かしすると、非常に治りが悪いのです。ましてや、午前2時以降に寝る人は、絶対に治らないと言っても、言い過ぎではないくらいです。「寝ることも大切なサプリメント」のぺージもお読みください。

ニキビもさまざまな種類があります。以上のサプリメントを3ヶ月続けて改善しないタイプであれば、皮膚科に行かれ、しかるべき処置をしてもらってください。

ここに書かれていることは、ドクター牧瀬が、延べ5万人以上の皮膚科領域の患者さんを、内科医の立場から診察した、つまり、多くの皮膚病は体の内部の問題が皮膚に現れたとみなして治療する根治方法です。
 しかし、ご自分の症状を正確に把握せず、ここに 書かれてあるサプリメントをとったり、勝手な治療法を行い、症状が悪化してもドクター牧瀬 はいっさい責任をとれません。

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