手のひらや、足の裏に、無菌性の膿疱ができる疾病です。アメリカの皮膚科では、前ページの乾癬の一種に分類しています。

普通の皮膚科ではデルモベート、ジフラール、ダイアコートなど、最強のステロイドがだされます。また、ビタミンA誘導体の内服が処方されることもあります。 さらに、扁桃腺摘除、虫垂摘除など行うことがあります。しかし、なかなか治療はうまくいかないのが現状です。

手足の皮膚は厚いので、きついステロイド軟膏を塗っても、ステロイドによる副作用は心配しなくてけっこうです。 しかし、最強のステロイド軟膏使っても改善されないことが多いのです。またビタミンA誘導体の内服は長期にわたると、重篤な副作用をおこすことがあります。

ビオチンの大量療法でかなり改善する患者さんはおられますが、それだけでは力不足のところがあり、もひとつ完治には至らないことがあります。 そういう場合、月桃加工食品(JIPANG Ginger®)で解毒を行い、あとタレジュのオイル、フラックスシードオイル、セレン、マグネシウム、α-リポ酸を足し、腸内環境を整えるためにビオスリーなどを摂り、 PS(1)という当方の軟膏を使うと、半年ほどで7割ほど改善がみられ、1年続けると、ほとんど日常生活に支障がない程度まで改善されます。心配は無用です。PS(1)という軟膏の成分は、「牧瀬クリニック独自の軟膏成分」のページを参考にしてください。
また、掌蹠膿疱症は「無菌性」ということで、抗生物質は意味がないようにみえるのですが、サワシリンなどの抗生物質も、特に初期に服用した方が、治りは良いです。抗生物質はお近くの病院で処方してもらってください。ペニシリン系が効きます(ただし、ペニシリン系抗生物質にアレルギーがある人は、当然、摂ってはいけません)。

アトピーにせよ、乾癬にせよ、掌蹠膿疱症にせよ、皮膚に関する病気には、とりもなおさず、解毒が非常に重要です。皮膚は人体の巨大な解毒器官なのです。 そこに、異変がおこっているということは、解毒に問題があるということです。

月桃の一つの際立った作用として、解毒作用があります。まず、便通がよくなるのです。 そして、体内の有害物質を排出させる作用が強いらしく、たいていの場合、1週間~1ヶ月ほど、一時的な症状の悪化現象が見られます。 それが、患者さんにとっては不安で、よく質問してこられます。もともとの症状がひどい患者さんほど、その傾向が顕著です。しかし、心配はいりません。 その、一時的な悪化時期をこえると、非常に改善のスピードがアップします。

ビオチンは5mg~15mgを半年以上は続けるべきです。このビタミンBの一種は次のような人に不足します。
透析を受けている人、抗生物質を服用している人、それからα-リポ酸だけをとっている人、それに卵白を非常に多くとる人 (ボディビルダーで、卵の黄身を取り除き白身だけでタンパク質のシェークをつくる人がいるようです。黄身を取り除くのは余分なコレステロールをとるためです。 そのシェークを毎日飲む場合、卵白に含まれているアヴィディンというタンパク質がビオチンと結合して吸収を邪魔するのです)。 そして、長期間にわたって睡眠誘導剤、抗うつ剤、抗てんかん薬などを服用している人もビオチンが不足してきます。これは重要で、意外と認識されていません。

またビオチンが有効に働くにはマンガンが必要です。(ちなみに、パイナップルにはマンガンが豊富です)。 マンガンは普通の食生活をしていては不足することはまずないとされています。しかし、カルシウムを大量に摂取するとマンガンの吸収が阻害されます。 何かの理由でカルシウムのサプリメントをとっている人は、気をつけたほうがいいでしょう。 また、余談になりますが、マンガンは「愛情のミネラル」あるいは「愛情の塩」とよばれることがあるように、特に授乳期の女性には必要なミネラルです。

ビオチンは、最低6ヶ月は続けてください。 マンガンを補うためのコップ1杯のパイナップル・ジュースを飲み、ビフィズス菌の多いヨーグルトをひかえ、卵白をとらず、 向精神薬、睡眠誘導剤もできるだけ避け、そして必ず禁煙です。 そうでなければ、ビオチンは有効に働きません。禁煙はことの他、大切です。掌蹠膿疱症にかかる患者さんには、喫煙する人が多いのです。

それと、「瀉血」をすると、効果があります。「瀉血(しゃけつ)」のページもお読みください。 年に数回、韓国の韓医学専門病院にも瀉血ツアーに患者さんをお連れしています。 瀉血により、体内の余分な鉄が多少なりとも少なくなると改善されることがあります。 赤血球のヘモグロビンの中心には鉄が存在します。ヘモグロビンの「ヘモ」は鉄の意味です。 鉄とグロブリンが結合したものです。

貧血改善のため、鉄剤を服用すると掌蹠膿疱症が悪化する場合があります。つまり、余分な鉄が災いしているのです。 どういうメカニズムで鉄が掌蹠膿疱症と関係しているか不明ですが、経験的にそうなのです。
したがって、鉄を多く含む食物、プルーン、ヒジキ、ホウレンソウなどは避けてください。 ビタミンCのサプリメントも鉄の吸収をよくしますから、ことさら摂らないほうがいいでしょう(果物や野菜からは問題ありません)。

長期にわたり、睡眠薬を服用している人は、注意してください。その副作用として、掌蹠膿疱症が現れることがたまにあります。

もし、掌蹠膿疱症かもしれないと診断された人は、患部の写真と、 今まで受けられた治療を明記のうえ、dr@drmakise.com に送ってください。 ほんとうは掌蹠膿疱症ではなく、単なる主婦湿疹や、真菌症(いわゆる水虫)であったりすることもありますから。
インターネットによる診療を希望される方に もお読みください。

ここに書かれていることは、ドクター牧瀬が、延べ5万人以上の皮膚科領域の患者さんを、内科医の立場から診察した、つまり、多くの皮膚病は体の内部の問題が皮膚に現れたとみなして治療する根治方法です。
 しかし、ご自分の症状を正確に把握せず、ここに 書かれてあるサプリメントをとったり、勝手な治療法を行い、症状が悪化してもドクター牧瀬 はいっさい責任をとれません。

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