歯周病は糖尿病を悪化させることは良く知られていますが、高血圧とも関係があることは、あまり知られていません。歯周病菌であるPorphyromonas gingivalis(P. gingivalis)は、血管内皮で単球を活性化させ、それをマクロファージへと変換した後、酸化LDLを取り込み泡沫細胞となり、プラークを形成し、動脈硬化を促進させます。したがって、血圧も上がってくるのです。

「Hypertension」10月22日オンライン版に、歯周病は高血圧に悪影響を与えるという記事が載りました。hypertensionとは高血圧の英語で、「Hypertension」は世界的にも権威のある高血圧の専門誌です。そこに、イタリアのラクイラ大学の口腔外科医であるDavide Pietropaoli氏は、歯周病が存在すると降圧剤が効きにくく、また、収縮期血圧の平均値が2.3~3.0mmHg程度高いと発表しました。
これは、アメリカの30才以上の高血圧患者3600人以上の、医療と歯科の記録を分析し、高血圧と歯周病の関係を検討したものです。
*Davide Pietropaoli, et al. Hypertension. 2018 Oct 22. [Epub ahead of print]

 

「口臭がある、口の中がネバネバする(特に起床時)、歯を磨くと歯茎から出血する」

以上三つのうち、一つでもあれば、歯周病を疑ってください。歯周病は、糖尿病、動脈硬化(ひいては高血圧)の原因の一つになるだけでなく、感染性心内膜炎、アルツハイマー病、関節リウマチ、膵臓癌なども引きおこすことがあるとわかってきました。

歯周病を防ぐには、3ヵ月に一度は歯科に行かれ、専門的にケアを受けてください。これをPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)といいます。自分でフロスを使って歯間や歯茎を掃除するのとは、格段の差があります。これは、健康保険がききますので、ぜひ定期的に受けてください。

また、歯周病の予防にはラクトフェリンが効果を発揮します。

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