降圧剤をのまなければ収縮期血圧(上の血圧)が常に150mmHg以上ある人や、拡張期血圧(下の血圧)が100mmHg以上ある人、あるいは糖尿病の合併があるとき、脳に動脈瘤があるとき、また心筋梗塞や脳梗塞・脳出血の既往歴をもっていたり、家系的にそういう患者さんが複数いる、それとタンパク尿が出る、眼底検査で異常が見つけられた場合など、必ず主治医の指導に従ってください。サプリメントだけに頼ってはいけません。

また3種類以上の降圧剤を服用してもコントロールしにくい場合は、二次性高血圧もうたがい、病院で精査してください。二次性高血圧についての説明は、あとの方で詳しく解説します。
家庭用の血圧計を購入してください。手首で測定するタイプより、腕で測定するタイプ(上腕用)の方が、より正確に結果がでます。朝食前と就寝前には必ずはかってください。各々、2度はかり、その平均値を記録します。例えば、2019年3月20日は、

朝食前:1回目→128/76 mmHg、 2回目→120/70 mmHg

   平均値は124/73 mmHg

就寝前:1回目→ 134/82 mmHg、 2回目→132/86 mmHg

   平均値は133/84 mmHg

したがって、2019年3月20日の血圧は、朝食前が124/73 mmHg、就寝前が133/84 mmHgとなります。できれば、もっと頻繁に測定し、いつ、どのような状態で、どのように血圧が変動するかを記録してください。

岩手県花巻市大迫(おおはさま)町で1986年から開始された、一般住民を対象とした高血圧・循環器疾患に関する疫学研究で、“大迫研究”という非常にすぐれたものがあります。24時間自由行動下、家庭で測定した血圧を用いた、世界初の追跡研究です。さまざまなことがわかったのですが、人々が家庭でしっかりと血圧を記録するだけで、脳卒中の発生率が下がり、死亡率も低下したのです。つまり、健康に対する意識改革だけで、血圧も下がってくるということなのです。

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