私は婦人科医ではありませんので、生理痛の治療のために私のクリニックを訪れる女性はいません。しかし、アトピー患者さんを治療して、気づいたことがあります。それはアトピー性皮膚炎の改善のために使うサプリメントが、生理痛にも非常に効果があることです。
アトピー性皮膚炎の罹患率に男女差はありません。いいかえれば、確率的に、アトピー患者さんのちょうど半分が女性ということです。しかも、若い人が多い。つまり、まだ閉経をきたしていない、生理のある女性が、アトピー患者さんの1/4~1/3であるということです。その多くの方々は、生理痛や生理不順も訴えられます。  また、生理が始まると、アトピーが悪化する人がけっこういます。
そのため、次のことがわかったのです。特に最近、若い女性が生理痛のために、非常にしばしば、商品名「ヤーズ」、「ヤスミン」、と呼ばれる超低用量ピルを服用していることです。こられのピルの主成分はドロスピレノンというプロゲストロンに似た、化学的に合成されたホルモン剤です。また、「マーベロン」という避妊薬もよくつかわれています。
実に奇妙なことなのですが、彼女たちは、ステロイド軟膏を塗るのは恐れ、化学的に合成されたホルモンは平気でのんでいるのです!! しかも、毎日!!
「患者さん、そのピルの副作用を知っているの?」ときくと、
それを処方した婦人科医は、彼女に
「新世代の超低用量のピルだから、安全で、アメリカでは若い女の子はみんなのんでいる」
と、言ったということなのです。
いやぁー、驚きましたね!!
健康になりたい一心で、有機栽培された野菜や果物しか食べず、遺伝子操作されていない大豆にこだわり、白砂糖の代わりにステビアを使い、カプセルは植物性にかぎり、サプリメントは天然のものか合成のものかと医者に詰問する。それなのに、人工ホルモンを毎日服用する。こういう患者さんを目の前にすると、もう、診察を続けるのがむなしくなるものです。

また、婦人科医も良心的でない。いやしくも、医者であれば、その副作用くらいは、患者に説明されたらどうでしょうか?

ドレスピレノンには血液凝固を促す副作用があり、血栓を誘発する危険があるのです。「ヤーズ」を販売しているバイエル社は2009年10月の時点で129件もの「ヤーズ」服用患者からの訴訟を受けているのです。Google で「Drospirenone」と検索してください。
そして、アメリカで多くのまれているからといって、日本の若い女の子がのんでいいという論理は、まったく成り立たない。きわめつきのインチキな論理です。アメリカでは若いうちから、こういう合成ホルモン剤を服用しているがゆえに、やたらと難病、奇病が多い。更年期障害も、日本女性とくらべれとはるかに重症です。
また、患者さんも患者さんです。「新世代」の化学薬品であればこそ、将来いったいどんな副作用がでてくるかは未知であるがゆえに、その安全性を疑うだけの知恵をもたなければいけません。
言っておきますが、「ヤーズ」、「ヤスミン」、「マーベロン」などは人工的に合成されたホルモン剤ですぞ!!
人体のホルモンを操作することは、たいへんな慎重さが要求されます。よほどのことがない限り、合成ホルモンの服用で、本来持っている体内のホルモンバランスを乱してはいけないのです。
しかし、そんな、合成ホルモンを使わないでも、生理痛は改善できるのです。
その処方は以下のとおりです。これはアトピー性皮膚炎に対する処方に腸溶性ラクトフェリンを足したものですが、これを最低2クール繰り返すと、生理痛が激減します。なぜ、生理痛が良くなるか、正直なところわかりません。しかし、のべ数千人の女性患者に処方した結果、自信をもって断言できるのです。この処方をまじめに一年間実行し、アトピーが完治したどころか、ピルをのまなければ耐えきれなかった生理痛が解消し、おまけに8キロもスリムになった女性もいました。年に8キロほど減量は、理想的な痩身です。

【 一ヶ月目 】

フラックスシードオイル・グリシン酸マグネシウム・ビオスリー・ビタミンB群・ビオチン・ビタミンD・ビタミンE・エスターC・α-リポ酸 + 腸溶性ラクトフェリン

【 二ヶ月目 】

還元型グルタチオン・グリシン酸マグネシウム・エゴマオイル・ビオスリー・ビオチン・ビタミンB群・イノシトール・セレン・ α-リポ酸 + 腸溶性ラクトフェリン

【 三ヶ月目 】

アスタキサンチン、グリシン酸マグネシウム、フラックスシードオイル、ヒアルロン酸 、ビオスリー 、ビオチン 、ビタミンB群 、 パントテン酸(ビタミンB5)、 エスターC、亜鉛+ 腸溶性ラクトフェリン

【 四ヶ月目 】

アスタキサンチン、マグネシウム 、 フラックスシードオイル、ビオスリー 、 ビオチン 、ビタミンB群 、パントテン酸(ビタミンB5)、 ビタミンC(エスターC)、ビタミンD3

以上を2~3クール繰り返してください。これらのサプリメントをいちいちそろえるのは大変なので、セットとして、私のクリニックではお分けしています。価格などは、「軟膏およびサプリメント各種」をお読みください。また、各々のサプリメントの詳しい解説も「アトピー」の「重要なサプリメント(1/26)~重要なサプリメント(26/26)」を参考にしてください。

ここに述べることは、あくまで一般的な参考としての情報であり、読者が医学知識を増やすための自習の助けになるものであり、それを越えるものではありません。
また、ご自分の症状を正確に把握せず、ここに書かれてあるサプリメントを摂ったり、治療法を行い、症状が悪化しても、いっさい責任はとれません。 インターネットにより、Dr.牧瀬のアドバイスを受けられたい方は、「ご相談フォーム」よりご相談下さい

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