ビタミンKは、K1~K5と5種類あります。K2は、さらに11種類に分類されますが、総称してメナキノン(menaquinone; MK)と呼びます。MK-4~MK-14と略記され、そのうちMK-4とMK-7が重要です。ヒトの動脈壁、膵臓、精巣などで、ビタミンK1からMK-4に変換されます。また、大腸に棲息する腸内細菌によっても、K1からMK-4に変換されます。

動脈壁では、カルシウム沈着による動脈硬化発症を防いでくれます。末梢動脈疾患の改善に効果があります。(Atherosclerosis. 2016 Sep;252:15-20. The relationship between vitamin K and peripheral arterial disease.) また、LDLを減らしてくれます。

ビタミンKの基本的働きは、γ-グルタミルカルボキシラーゼという酵素が働くための補因子としての役目です。この酵素は、活性を有していないビタミンK依存性蛋白内のグルタミン酸残基(Glu)を、活性のあるγ-カルボキシグルタミン酸(Gla)へ転換します。その際、ビタミンKはγ-グルタミルカルボキシラーゼの補酵素として働きます。  γ-カルボキシグルタミン酸は血液凝固と関連した蛋白や、骨、腎、肺、精子、動脈壁などにも広く分布しています。
骨に関係するのはオステオカルシンで、カルシウムイオンの恒常性を保つ働きや、膵臓のβ細胞に働いてインスリン分泌を促す作用もあります。また、後述するアディポネクチンの分泌も促進します。
しかし、ワルファリン(商品名:ワーファリン)などを服用している人は、このビタミンは摂らないでください。

以上のBasic-3だけで下がらない場合は、先に述べたA、B、Cつのオプションか、次のページから記載されるサプリメントを足していかれば良いでしょう。20種類あまりのサプリメントですが、これは優先順位に書いているのではありません。人の体は千差万別ですから、あなたにとってどれが大切かは、実のところ、試してみなければわかりません。一つ足すだけで十分かもしれませんし、三つ足さなければ、あるいは四つ足さなければ効果がないかもしれません。組み合わせの可能性は非常にたくさんあります。
これからは、患者さんが自分で、自分のサプリメントの組み合わせを考えていく時代なのです。

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