アミノエチルスルホン酸とも呼ばれるアミノ酸です。細胞膜に働き、細胞内のカリウムとマグネシウムをバランスよく保ち、過剰のナトリウムを細胞外に排泄させます。この作用は病院で処方される、ラッシクスなどのいわゆる降圧利尿剤の原理と同じです。このサイトを読まれている人の中には、朝一錠のみなさいと白い錠剤を渡された患者さんがきっとおられるはずです。

その多くがラシックスです。タウリンは作用機序としてはラシックスと同じですが、副作用なしで降圧の効果を現してくれます。塩分をひかえることは現実には非常にむつかしいものですから、どうしても塩分摂取が多くなる人は、積極的にタウリンを摂られると良いでしょう。
また、タウリンは単に降圧利尿剤の役目を果たすだけでなく、交感神経の興奮を抑えることによっても血圧を下げでくれます。

こういった降圧作用があるばかりでなく、タウリンには心筋そのものを強めてくれる効果や、マグネシウムと一緒になって不整脈を整えてくれる作用ももっています。その他、コレステロールの調整、免疫機能の強化、血糖値の安定化にも有効に働きます。

これを多く含んでいるのは、ナマコ、タコ、イカ、サザエ、カニ、ハマグリ、シジジミ、エビ、トリガイ、カキ、アサリ、アカガイといった海の幸です。特にナマコ(海鼠(なまこ))の酢の物はカルシウムも同時にふんだんにとれ、非常によろしいというわけです。

ちなみに、私は海鼠が大好物で、*日本海鼠協会をつくりたいほどです。海外に出てつらいのはこの海鼠を食べることができないことです。これを最初に食べた人はじつに偉い。海の鼠(ねずみ)とはよく漢字をあてたものです。英語ではsea cucumber、海のきゅうりと呼んでいるようですが、海の鼠のほうがより真実に近い。あの気持ち悪い見てくれと触り具合にもかかわらず、果敢に挑戦した気概と勇気は史書に記されるべきものなのですが、残っていない。いったいどこの誰だったのでしょうか。数百億光年向こうの新しい惑星を一つ発見するより、海鼠が食えると発見したほうがよほど人類に役立つといえば天文学愛好者から非難が殺到するでしょうか?

* 弘前大学農業生命学部ナマコ研究センターには、すでに「日本ナマコ協会」があるそうです。一度、表敬訪問したいものです。

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