そして、先進国では甲状腺に関する検査が行われるのですが、それが中途半端な検査であるがゆえに、特に甲状腺機能の低下を見つけることができないでいるのです。
こと、日本に限っては、健康保険がきく甲状腺機能の検査項目が限られており、その範囲でしか検査ができないということが一つの理由なのです。それをこえる分は、患者さんの負担となります。
日本の患者は、安い医療費に慣れていますから(国際的にみると日本の医療は、その質とスピード、それに対する税金から見ると、非常に!非常に!非常に!安いのです)、少しでも余計な分を払わせられると、文句を言います。おまけに、検査結果に異常がなければ、無駄な検査をやったとさえクレームがつきます。したがって、医者はもっと検査をした方がいいとわかっていても、しません。 そこで、中途半端になってしまいます。
それと、例えば検査の結果、FT4が0.81ng/mlだったとします。FT4の基準値は0.80~1.60です。0.81は確かに基準値の中に入っています。 0.79であれば、基準値以下ですから、甲状腺機能低下として扱われますが、0.81の場合、はたして、 まったく正常と言えるのでしょうか? 0.79と0.81とでは、いったいどれほどの違いがあるのか? 同じ人間でも、その日の体調によって、数値は0.79と0.81の間を行ったり来たりしないのか? こういうことがほとんど考慮されず、「0.81ですから、甲状腺機能には問題ありません」と機械的に処理されがちなのです (このたぐいの診断なら、医者なんて必要でなく、 コンピュータに任せて十分なはずですが)。
その結果、見かけ上甲状腺機能は正常となり、あなたのうつ的で重い気分は、心療内科か精神科で治してもらってくださいとなってしまうのです。
特に、うつ病と誤診された場合は悲惨です。日本の医者も、アメリカの医者も、抗うつ剤は大好きですから(要するに、収入アップになるのです)、どんどん処方される危険性があります。本来うつ病でないものに、抗うつ剤が投与されるわけですから、当然、効果はありません。したがって、一種類では足りないものですから、2種類、3種類と重ねられ、量も増え、とても仕事や勉強に集中できなくなってしまい、そのあげく、薬のために本当の精神病になってしまうことがあります。これは、悲劇であり、医原病の最たるものの一つでしょう。もし、あなたが女性であり、家系的に甲状腺を患った人がおられるなら、ぜひ、甲状腺機能低下の見地からも、専門医に診てもらうようにしてください。
甲状腺機能低下症は比較的に、女性の方が、男性よりも多かったので、特に男性の場合見逃されやすいのです。ひょっとすると、現在では、男性のほうがこの「隠れ甲状腺機能低下症」、「潜在性甲状腺機能低下症」、あるいは、単なる「見落とし甲状腺機能低下症」が多いかもしれません。男性の場合、喉頭隆起(いわゆる喉仏:のどぼとけ)が女性よりも顕著なために、本当は甲状腺腫大があるにもかかわらず、意外と高率で見逃されている可能性があります。
30代どころか、40代、50代でも、肉体が健康な人は十分に睡眠をとると、ほとんどの疲れは回復します。 ところが、起床して体を動かし始めると、しばらくして異常な疲労感に襲われるときは、甲状腺機能低下の可能性も考慮してください。
また、うつや不眠は甲状腺の問題かもしれないと気づかれ、精神科や心療内科に行く前に甲状腺専門医にかかられて、「境界領域」、あるいは「潜在性甲状腺機能低下症」、「軽度の橋本病」と診断された場合、たいてい何の治療も行われません。また、TgAbやTPOAbが異常値を示しても、T3、T4、が正常値範囲以内にあれば、これも治療の必要なしとされます。甲状腺ホルモンのチラージンをほんの少量補えば、かなり改善するとわかっていても、現下の医療保険制度ではできないのです。しかし、患者さんはつらいので、仕方なく精神科や心療内科に行かれ、どっさりと抗うつ剤や睡眠導入剤による治療が始まります。その帰結は、多くの例で、普通の社会生活を送れないような状態になります。
こういう場合、月桃、コラーゲン、フラックスシードオイル、ビタミンD3、などのサプリメントによる治療が非常に助けになります。詳しくは、「甲状腺対策サプリメントセット」 をお読みください。
また、T4からT3への変換は、腸や肝臓でも、各々で20%ほど行われますので、腸内環境を整えることや、肝機能を強化することも非常に大切です。腸内環境改善には適切なプロバイオティクス(たとえばビオスリー)、肝機能強化には、月桃JIPANG Ginger®、N-アセチル-L-システイン、α-リポ酸、マリアアザミ、ウコンなどが良いでしょう(ただし、ウコンは決して摂りすぎてはいけません。かえって肝臓に負担をかけます)。
毎朝床から起きるまでに体温をはかってください。普通の体温計でけっこうです。腋ではかって36.2度を切るようであれば、それは甲状腺機能低下の可能性があります。 36度を切ると、かなりその可能性が高くなります。(測定には十分注意を。体温計を最低2つは用意してください。同じ部位を同じ時間はかっても、体温計によって、結果が0.5度ほど違ってくることがあります)。
ここに述べることは、あくまで一般的な参考としての情報であり、読者が医学知識を増やすための自習の助けになるものであり、それを越えるものではありません。
また、ご自分の症状を正確に把握せず、ここに書かれてあるサプリメントを摂ったり、治療法を行い、症状が悪化しても、いっさい責任はとれません。 インターネットにより、Dr.牧瀬のアドバイスを受けられたい方は、「ご相談フォーム」よりご相談下さい
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