これは胡椒(こしょう)の辛みのもとになる成分です。胡椒の学名Piper nigrum の「Piper」から、「Piperine」と名付けられたようです。
最近は、胡椒と同じ科に属するヒハツから抽出して、サプリメントとして売られています。特にアーユルヴェーダ医学ではヒハツはしばしば使われる重要な薬草です。ピペリンには三つの際立った作用があります。
血管の内皮細胞で、Tie2という酵素とANGPT2というタンパク質と結びつきを促し、一酸化窒素(NO)の産生を増やす。
基礎代謝を上げる。
サプリメントに含まれている機能性関与成分の吸収を高める。
その他にも、抗炎症、鎮痛、脳のBDNF (Brain-Derived Neurotrophic Factor : 脳由来神経栄養因子)の増加、脳のドーパミンやセロトニンの増加、コレステロール系胆石予防、てんかんの発作予防、癌の転移予防などもあります。
a)の、血管内での一酸化窒素(NO)の産生増加によって、最初に述べたアルギニンと同様に、降圧効果が得られます。
また、サプリメントに含まれている機能性関与成分の吸収を高めます。特にセレン、クルクミン、ビタミンB6などの作用が、ピペリンと一緒に摂ると強化されます。この点は、後述するイチョウの葉エキスと似たような作用です。
ただ、摂り過ぎると、精子の数を減らすといわれていますので、これから子供をつくろうとする男性は、摂らないほうがよいかもしれません。
それと、甲状腺ホルモンを低下させることがありますので、甲状腺機能低下症の人も、摂りすぎに注意してください。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14517767(英文)
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