この熱帯から亜熱帯に多く成長する多年草の植物は、厳しい紫外線から身を守るために、非常に多くのポリフェノールやカロテノイドを含んでいます。ケルセチンは有名なポリフェノールで、タマネギの皮に多く含まれているとされていますが、実のところ、月桃の葉のほうがおよそ2倍近くふくんでいるのです。
ケルセチンはMMP-2(マトリックスメタロプロテアーゼ-2)という酵素の活性を下げることによって、動脈硬化を防ぐ作用があります。高血圧のときには、血管平滑筋細胞の形質変換がおこり、動脈硬化が進行し、進行した動脈硬化は高血圧をきたすという悪循環がおこります。
また月桃にはフェルラ酸も非常に多く含有されており、このポリフェノールも降圧作用が認められています。これは、先にのべたアルギニン、テーブルビート、ピペリンと同じように、血管内での一酸化窒素(NO)の産生増加によるものと考えられています。フェルラ酸は認知症の予防にも効果がありますので、物忘れを感じ始められたときには、すぐにお摂りになるとよいでしょう。
血圧を上昇させる酵素に、アンギオテンシン変換酵素(ACE)というものがあります。この作用を抑制すれば、高血圧をかなりコントロールできます。医薬品の中にも、この酵素を阻害・抑制する薬が数多くあります。月桃はこういった薬と似た作用をもっています。ACEについては、次の「アシタバカルコン」で詳しく説明します。
<参考リンク>:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0021915018300315(英文)
<参考リンク>:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11991222(英文)
<参考リンク>:https://www.mdpi.com/1420-3049/22/2/209(英文)
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